This document written: 2014-05-12 .. 2022-01-21

『Android ゲームプログラミング A to Z』の読み解き

ここでは、Hata イチ押しの Android / Java ゲーム開発フレームワークである libGDX の開発者 Mario Zechner 先生の名著『Android ゲームプログラミング A to Z』を叩き台にして、Android ゲーム開発の技術論自体について色々とまとめて行こうと思っています。本の内容紹介が目的ではなく(それを目的とすると著作権的にも問題が生じるでしょうし)、あくまでも「叩き台」としてこの本を選んでいますので、章構成的な面で話題(ネタ)を選ぶきっかけ程度に利用して、内容的には独自の僕自身のノートやサンプルプログラムの提示が中心になると思います。

章構成

章立ては次のようになっている:

  1. Android の新しい可能性
  2. Android SDK でのファーストステップ
  3. ゲーム開発の基礎
  4. ゲーム開発者のための Android
  5. Android ゲーム開発フレームワーク
  6. Android を攻略せよ
  7. OpenGL ES の紹介
  8. 2D ゲームプログラミングのトリック
  9. Super Jumper: OpenGL ES を使った 2D ゲーム
  10. OpenGL ES: 3D の世界
  11. 3D ゲームプログラミングのトリック
  12. Droid Invaders: グランドフィナーレ
  13. ゲームの公開
  14. 次なる展開

このうち、1、2 章は特にゲームプログラミング及びこの本に固有の情報ではなく、Android プログラミング解説本ではおきまりの導入情報なので、全く読み飛ばせる(その上、執筆時 2011 年の環境がベースとなっているため情報も古い)。

同様の理由で、13、14 章もさらっと読み流せばよい内容である。

実質的に、この本のちゃんとした内容は、3 〜 12 章にあると言ってよい。

さらに、この 3 〜 12 章は内容的に 3 部から構成されている。それは次のような形である:

3 〜 6 章
Android ゲーム開発のすべて(OpenGL ES を除く)
7 〜 9 章
OpenGL ES 1.x (2D)
10 〜 12 章
OpenGL ES 1.x (3D)

薄っぺらい入門書ならば、この 3 部のどれ 1 つを取っても立派な 1 冊の本として店頭に並べられそうなほど、有用な内容である。しかし特に第 1 部に相当する 3 〜 6 章の内容が重要である。第 2、3部の内容は、第 1 部の内容で確立された開発手法及びフレームワークを、技術的に OpenGL ES に適用していくことが主体となる。OpenGL ES はあくまでも技術的なオプションであって必須ではないので、必要な人が必要になった時に読めばよい。すなわち、この本の心臓部は第 1 部にこそある。

以降、本書とそのサンプルコードを BAG(Beginning Android Games)と略す。libGDX と区別するためでもある。


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